「緊張感」というものを失うとえらいことになるとイボ道場は身をもって教えてくれています。
上に貼った動画でエキノコックス師範とパンダーウーマン師範が雑談をしているのですが、二人のその弛緩しきった会話には共感性羞恥を覚え、思わず車に乗り込んで目張りをし、七輪に練炭を入れて火を熾したい衝動にかられます。
道場を始めた当初からその主張はおかしなところ満載でありましたが、それでも今よりは酷くなかったと言う人が相当数いて、やはり長く続けると劣化してしまうものなのでしょうかとの意見を聞いたこともあります。
しかし、別に劣化したわけではなく、もともと酷い言説が飛び交う場所ではあったのですが、それでもそこが議論の場所としてかろうじて成立していたのはひとえに緊張感があったからです。
私がまだ道場に参加したり、メーリングリストやライジングコメント欄に投稿していた頃は僅かながら緊張感がありました。
正直に告白しますが、私は当時道場に在籍していた女性門弟らいてうブランシェットさんを恐れていました。
馬鹿なコメントをして彼女から注意されたら僕泣いちゃうとビクビクしていました。
今から思えば、それが議論を交わす場として重要なことであったのです。
今の道場動画や道場ブログ、そしてライジングコメント欄の惨状をご覧なさい。
ここはどこの保育園だと錯覚してしまうほどの幼稚さであり、ここは場末のキャバクラかと見紛うほどの堕落ぶりです。
らいてうブランシェットさんや壇ミッツさんが目を光らせているからこそ緊張感が維持されていた道場でしたが、その二人が去って一年以上経ち、今やすっかりお遊戯会に様変わりしました。
妻を迎えに浦和に行き、そこから家までの帰路、私がそのような話をすると、妻は思い出したようにかつて道場メーリングリストで起きた悶着について話してくれました。
当時まだ門弟であった牛タンメガネ氏(仮名)が誰かとこみいった問題について真剣に議論をしていると、おそらくはドロヘドロが茶々を入れるような感じで、議論に水を差し、「あまり難しい話で空気を悪くして、皆さんを怖がらせないでもらいたいですねぇ。言い争いばかりされたら、他の参加者が投稿を敬遠してしまうのでやめていただけないでしょうかねぇ」というように議論を中途で制止させてしまったそうです。
それに対して憤りを覚えた牛タンメガネ氏は「道場はこわいところですよ。思想をやっているのだから当たり前です」と毅然として言い切ったのだと言います。
妻はその牛タンメガネ氏の断乎たる意思に胸を打たれ、未だに強烈な印象を残しているのだそうです。
しかし、その牛タンメガネ氏の発言に対し、他の門弟たちは「道場はこわくないですよぅ」「もっと楽しく和気あいあいとやりましょうよ」といった声を上げて、結局は牛タンメガネ氏を孤立させ、排除の流れが出来上がっていったように記憶していると妻は言いました。
確か当時は私もメーリングリストに参加していた筈ですが、そのエピソードの記憶がまるでありません。
妻に私はその時どんな立場でいたのか聞くと、おそらく和気あいあい派であったのではないかと曖昧なことを言います。
しかし確かに当時の私ならば「みんな仲良くワキあいあい」とダチョウ倶楽部のギャグを言いながら、牛タンメガネ氏を茶化していたかもしれません。
よく覚えてはいませんが、もしそうであったのならば、牛タンメガネ氏には悪いことをしました。
申し訳ございません。
世の中について議論をする、つまりは公論を喚起する志が強くあるならば、緊張感を失ってはいけませんし、言論の恐さを忘れてはいけません。
それを忘れた結果が今の道場のありさまなのです。
くだらないダジャレを募集して、小学生の落書きのようなお絵描きごっこをして、しまいにゃ公式キャラクターなどと称してゆるキャラの真似事に興じるのです。
なりすましをしたり、余裕アピールの冷笑をしたり、鍵垢にしたりと、タガが外れた彼らの弛緩はとどまることを知りません。
この記事へのコメント