《五輪演出家が渡辺直美にブタの仮装をさせるというアイデアを身内の話し合いで出したらしいが、まさか採用されると思って出したアイデアじゃあるまい。》
《本人も反省して、謝罪してるのだから、これ以上、騒ぎをわざと拡散するのは悪意があり過ぎる。》
週刊文春の記事によりオリンピック開閉会式演出総合統括を務めていた佐々木宏が辞任に追い込まれたことについてイボナメクジは大変ご立腹ですが、文春記事の内容は渡辺直美についてはあくまで記事のさわりの部分であり、そこから更に踏み込んだ内部情報にこそ佐々木の専横ぶりが報じられているのです。
しかし佐々木の感性のヤバさやダメさは渡辺直美の件だけでも充分伝わりますし、それに気づかない奴や、まして擁護する奴などは価値観が一切アップデートされていないことが分かります。
過去に許されていたからといって、人を踏みつけにすることを許容すべきというのはどうかしているでしょう。
踏みつけにされていた人たちが声をあげ、やっと変わって来たことに対して「こんなの息苦しい世の中だよ。これじゃ何も言えなくなっちゃうよー」などと不満をたれる奴は単なるクズでしょう。
どうして人を踏みつけにする側の要望に応える為に、踏みつけられている側が我慢し続けなければならないのでしょうか。
そりゃ「切り捨て御免」が許される立場の者はその権利を奪われることは一つの自由を失うことになりますが、無礼討ちなどと称して斬られる側からすればたまったものではありませんので廃止されて当然でしょう。
イボナメクジは佐々木宏のLINE投稿について次のように擁護します。
《驚くのは身内の戯れ言でも女性のルックスを茶化したら集団リンチにされて、追放されるという風潮だ。まるで旧ソ連の密告社会のようで、身内の間だからしゃべった言葉でも、誰かが密告して、公の場にさらされ、糾弾される社会になったのだ!》
どうやらイボナメクジは「内部告発」というものにニガイ思い出でもあるようで、それを「密告」などと言って非難します。
佐々木は総合演出という組織のトップにいる立場であり、そいつの発言を週刊誌に告発することを旧ソ連の密告と同一視するのは無理があるでしょう。
権力サイドに情報を流す密告と、権力サイドの不祥事を告発することはまったく正反対のものでしょう。
更に、あのLINEについて「身内の戯れ言」で済ませるのにも無理があります。
あのLINEグループはプライベートな仲間内でのものではなく、オリンピックの総合演出に関わる情報共有の場であり、いわば公共空間です。
例えば、職場においてその部署を纏めている上司がクライアントである女性の容姿について笑い話にし、それを聞かされた女子社員が気分を害し、社内のコンプライアンス窓口に相談することは非難されるべきことでしょうか。
《女性蔑視を叩く!ポリコレ棒でぶん殴る!決して許さない!集団リンチで追放する!過去の発言でも許さない!謝罪してもムダ!身内のアイデア会議の段階で出た発言でも許さない!LINEで出た発言でも、密告されて、公開されてリンチ!女性蔑視は密告OK!集団リンチOK!太った人にブタと言ったら追放!》
《このポリコレ全体主義の時代を、わしは許容しない。言論の自由、表現の自由を守る!ポリコレ全体主義は、民主主義の否定である!》
イボはやたらと「身内」を強調していますが、さすがに椎名林檎は佐々木宏を「身内」とは思ってもいないでしょう。
イボナメクジは世間を知らない僕ちゃんジジイであり、自分の職場が家族経営みたいなものであり、セクハラパワハラ自由の社風であるものだから、それを一般社会でも適用出来ると考えているのでしょうが、「会議」の場は「身内の戯れ言」ではありません。そこでのセクハラやパワハラは当然訴えられますし、そのことを告発することを「密告」などと非難する奴は単なる腐れ外道です。
またイボナメクジは「過去の発言」であることも許される材料の一つであると考えているようですが、それは言論人の風上にもおけない発言です。
言論人であるならば尚のこと、過去の発言に責任を持たなければなりません。過去の発言だからといって免罪されるのならば、どのような放言をしようが無責任でオッケーということになり、「公論形成」など不可能になるでしょう。
ここでコメントを紹介します。
《「逆張りや差別的な物言いで仕掛け、それに釣られた人を嘲罵して煽るだけ」
イボは大昔から、これだけですわ。新が付かないゴー宣の頃から、過激な物言いばかりして、抗議してくる人たちをブサイクかつヒステリックに描写し、おちょくって勝利宣言。
まだ読者だった頃から、こういうのはなんかムカついてました(それでも志はあるんだろうと思って読んでましたが)。
捨てたのか元から無かったのか知りませんが、イボナメクジに志はありません。》(おから砂さん)
おから砂さんの意見は私も常々思っており、このことについてもブログ記事として纏めなければいけないと感じていました。
私もおから砂さん同様、読者であった頃から「この表現はどうなんだ? この言い回しがここで必要か?」などと首を傾げること度々でしたが、しかし「イボナメクジ先生は口が悪いかもしれないが、世のため人のためにと強い思いがあるからこそ、その熱情が勢い余って強い表現になっているだけなのだから目をつぶろう。照れ隠しで偽悪的な振る舞いをしているだけで本当は心優しい人であるはずだ」などとメルヘンが入っているアホが性善説に酔い痴れているみたいな甘い考えで、イボの酷さをスルーしてきました。
当時の段階でも明らかにアウトな発言であったのに甘い見立てでスルーしてきた自分の認識の浅はかさに呆れますし、強く猛省します。
反省する意味も込めて、「あの時、イボはこう吠えた」と銘打って、過去に疑問を抱きながらもスルーしてしまったイボ発言について取り上げなければいけないでしょう。
慰安婦問題を描き始めた頃に欄外に「そこらじゅうの女をレイプして妊娠させたい」というようなことを書いて、それを読んだ女性読者から抗議が来たことについて、「この程度のたわむれも許してくれないの?」などとまるで被害者にでもなったかのような態度で「単なる軽口を言葉狩りするな」と主張していて、さして深い意味もなく女性への暴力を示唆することがギャグになると考えているのかと言葉を失いましたが、私はあろうことかこれを疑問に感じながらスルーしてしまったのです。
また、作家の柳美里さんに対し、議論の末に出た言葉が、「犯すぞ」だった時には頭がクラクラしたことは未だによく覚えています。
親指を人差し指と中指の間から突き出して「学生時代にわしにビンタした女は実はわしに惚れていたに違いない。だからわしにビンタする女はわしに惚れていると見做して犯すことにしている」みたいなことを描いた上で、柳美里という実在する相手を名指しして「犯す」と明言していて、それをギャグ描写として描いているのだから許されるという認識も含めて卑劣だと思いながら、それでもそれをスルーしていた在りし日の私。
恥の多い生涯を送って来ました。
思わず太宰になってしまいます。
イボ情報提供窓口メールアドレス
ibonamekuji@gmail.com
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